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論文・論説

北海道の自然 第47号 当別ダムによる環境破壊 安藤加代子著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:二〇一二年度完成予定の当別ダムの主として水道水利用問題について検討した。二〇〇七年に実施された三回目の事業再評価委員会で、各構成団体の受水量は計画当初二二五、七〇〇㎡/日から七七、八○○㎡/日へと約三分の一に大幅減量となることが明らかとなり、当別ダムの必要性に疑問を残した。札幌市・小樽市・石狩市・当別町の四市町について検討すると、それぞれダムからの取水の必要性は明確でない。ダムは、河川環境を悪化させるので、ダムによらない水道水利用を十分検討すべきであり、当面ダム建設を休止して、改めてダムの必要性について真摯に検討すべきである。

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 北海道におけるジオダイバーシティ 渡辺悌二著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:要旨
自然保護・保全を考えるにあたって、生物多様性(バイオダイバーシティ)の視点が重要であることに異議を唱える人はいないであろう。しかし、非生物的な側面の多様性、すなわちジオダイバーシティの視点についてはどうであろうか。本稿では、まずジオダイバーシティとはどのようなものなのかについて述べ、そのうえで、北海道の自然保護・保全の枠組みとジオダイバーシティについて概観してみたい。

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 北海道の土壌の特徴と多様性 高橋正通著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:北海道は平坦な地形、新しい火山の噴出物、寒冷な気候とその植生の影響をうけた土壌が分布する。地形が平坦なため、比較的均質な土壌が広く分布し、その中に特殊な土壌が点在している。火山の影響は地域によって異なり、太平洋側の日高山脈より西側には火山軽石が多く土壌化の進んでいない火山放出物未熟土が分布し、日高より東側には火山灰による黒ボク土が広く分布する。寒冷な気候のため泥炭土やポドゾルが分布するが、低地でも高位泥炭やポドゾルが見られる点は本州以南とは異なる北海道の特徴である。山地の大部分は褐色森林土に覆われているが、その性質は幅広く蛇紋岩等を母材とする特殊な性質をもつ土壌を含む。平坦な地形が多いため大規模開発が進み、平地や丘陵の自然植生や自然土壌は大幅に減少した。

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 北海道の河川の多様性 小野有五著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:河川の多様性は、河川が蛇行していること、瀬と淵をもつこと、さらに河畔林をもつことによって維持されている。月寒川での河川改修によるホタルの消失は、直線化、コンクリート三面張りによる河川の多様性の破壊が水生昆虫に与えた影響をよく示している。コンクリートを使わず、川をより自然に見せる「多自然型工法」は、一見すると、「自然にやさしい」改修にみえるが、魚や植物の立場にたってみると、亀田川の事例のように、そうなっていないことが多い。いっぽう、天塩川水系パンケナイでの再改修実験は、適切に改修を行えば、安い費用で、川の自然と魚類の多様性をとりもどせることを示した。十勝川の下流部に典型的に見られるように、開発によって河川や湿地の多様性が急速に失われた北海道では、これ以上、河川の自然を壊すべきではなく、むしろ、失われた多様性を早急に回復する手立てを考えるべきである。

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 北海道の周氷河現象と氷河地形 岩田修二著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:北海道では、間氷期と現在には流水と重力によって地形が形成されたが、氷期には凍結作用(周氷河作用)が強く働き、その結果、地形多様性がもたらされた。最終氷期の北海道では、低地まで永久凍土が形成され構造土や凍結割れ目の化石などの周氷河現象が形成された。凍土のクリープによる非対称谷など、本州以南ではみられない地形も形成された。
日高山脈の圏谷や氷食谷は氷期の編年にとっての貴重な地形である。

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 登山とジオダイバーシティ:「ジオ・ツアー登山」の視点 土栄拓真・渡辺悌二・平川一臣著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:自然を観察し、学びながら登る「知的登山」がさかんになってきているが、いまだに大多数の登山者は身体的・精神的健康を求めて山に行く。地形・地質・土壌の多様性(ジオダイバーシティ)を解説する「ジオ・ツアー登山」は、「知的登山」の一部として位置づけられる。本稿では、実施数が少ない「ジオ・ツアー登山」に焦点をあてて、大雪山の「ジオ・ツアー登山」の現状を簡単に紹介したうえで、「ジオ・ツアー登山」の可能性と自然保護上の問題点について述べる。

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 北海道国有林における生物多様性の現状と課題 佐藤謙著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 生物の再導入・移植問題を考える 池田透著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:近年、絶滅した生物の再導入や絶滅危惧種の移植に関するニュースが多く見られるようになってきた。兵庫県豊岡市でのコウノトリの野生復帰がこうした動きに拍車をかけていると思われるが、これらの事業は一般的には豊かな自然の回復をめざすものであり、好意的に受け止められる一方で、実は事前の詳細な検討を怠ると一転して外来生物問題となり、取り返しのつかない問題を引き起こさないとも限らない。
本稿では、国際自然保護連合(IUCN)の再導入に関するガイドラインを紹介し、生物の再導入の際に配慮しなければならないポイントを整理するとともに、現行の再導入・移植が誤った風潮を促進してしまう可能性に言及した。生物の再導入は、保全における最後の手段であることを認識し、安易な再導入は控え、まずは在来の生物を絶滅に追いやらないという保護の原点に力を注ぐ必要があると考える。

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 野付半島や道東の自然公園での緊急課題 Ⅰセイヨウオオマルハナバチの侵入 石川聖江著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:野付半島は、道東のお花畑では頑張っている自然公園と思われました。しかし、この一、二年、いろんな事態が起き対策に追われるようになりました。その一つは、セイヨウオオマルハナバチの侵入で、在来種のノサップマルハナバチへのダメージだけでなく、盗蜜により花粉が運ばれなくなることなど、道東全体のお花畑に影響を及ぼすものです。次に、北海道で初めての鳥インフルエンザの発生、オオハクチョウの飛来は道東の湿地も同様で、関係者を心配させて十分な警戒が求められています。野付半島での緊急課題を通して、道東全体のものと提起します。

資料提供元:北海道自然保護協会

論文・論説

北海道の自然 第47号 野付半島や道東の自然公園での緊急課題 Ⅱ鳥インフルエンザの発生 森田正治著

発行元:一般社団法人 北海道自然保護協会

発行年月日:2009年3月31日

内容:

資料提供元:北海道自然保護協会

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